4.家・土地探し
新規就農の場合、全て一から探すことになりますが、基本は人づきあいです。土地の制度は研修中にじっくり学んで行きましょう。
土地の取得は法律を満たす必要がある
農地は「宅地」や「山林」などとは違い、「国民の食糧の安定的な供給の場所」という大きな特性を持っています。そのため、農地を買ったり借りる場合にはいくつかの制限があります。窓口は各市町村・農業委員会です。
不耕作目的での取得制限
従事する人数や所有機械、技術などの点から、全て耕作できると認められる状況になって初めて取得できます。農地を取得してから準備する、という順はできません。
常時従事しない場合の取得制限
基本的には土地の権利者またはその世帯員が農作業を常時していく必要があります。資産保有の目的での農地取得はできません。ある一定の条件を満たせば、使用貸借による権利又は賃借権を取得することもできます。
下限面積制限
市町村によって様々ですが、多くの場合、北海道で2ha以上、都府県で50a以上の面積が必要です。それ以下の面積では、十分に農業経営が出来ないと判断され、取得が認められません。
効率的利用をしない場合の取得制限
同一市町村に住んでいるなど、居住地から無理なく通って農業ができると認められる必要があります。
条件に合った土地を選ぶ
日照条件や水利権、価格、家からの距離など、いろいろな条件がありどれも大切ですが、有機農業では比較的土壌条件が重要となります。自分のやりたい作物に合った土地かどうか、生えている作物や草、土壌分析などで判断する必要があります。その判断も先輩農業者などにお世話になるといいかもしれません。
家や土地は信頼関係から探していく
農地と住宅との両方で好条件なものを探すのは大変です。さらに農村には「先祖伝来の家や土地を見ず知らずの人には貸せない」という風潮が根強く残っている地域も多いです。そのため、地元の方との信頼関係の構築が重要になってきます。ふらりとその土地を訪ね「家や土地はりませんか?」と聞いてみても、なかなか良いものは出てきません。多くの場合、支援してくれる地元の人を探し、誠意を示しながらお願いしていく必要があります。研修先で就農すると良い大きな理由の一つがここにあります。