5.販路開拓
作栽培方法のこだわりと品質を説明できるかどうかがカギとなります。JAによる有機農産物の買い取りは少ないため、多くの場合は他の方法で販売していきます。
販売方法は多様にして一長一短
一口に販売といっても、直接販売もあれば量販店への出荷もあり、大口・小口、個人出荷・グループ出荷、様々です。販路の選択は作物の生産体系とも密接にリンクしてきます。
直接消費者へ販売
「野菜セット」やお米の直売など、一般消費者への直接販売は、インターネットや口コミなどを利用する形で多く見られます。自分で価格を決定でき、消費者と親密で長期にわたる関係が構築できることが多いです。レストランや小規模自然食品店への出荷も似た関係にあります。しかし小口が多く、出荷や調整、顧客管理には手間がかかります。生産者が共同出荷グループ、消費者が共同購入グループを形成することでその手間が緩和されることもあります。
直売所や朝市で販売
道の駅やマルシェなどにおける販売は、自分で価格が決定でき、消費者に直接語りかけたり、チラシ、ラベルなどで大いにアピールできます。しかしすぐ横のライバルとの厳しい比較に晒され、激しい競争があります。どのようにこだわりや品質をアピールするか、その方法を磨くチャンスでもあります。
生協やスーパー、流通業者への出荷
一括契約で大量に売ることができ、経営は安定しやすいです。一定規模のロットが必要で、栽培面積や栽培時期、販売価格、代金支払い時期などを担当者と密に話し合い、決めた通りに栽培していく必要があります。生産者グループを形成することで対応する例も多くあります。なお、こういった売り先からは有機JAS認証を取得するよう求められることが多いです。
やはり仲間づくりがカギ
売り先は一つではなく、多くある方が経営は安定します。作物の品質を高めるにも、販路を拡大・共有するにも、仲間づくりが欠かせません。最初は仲間や研修先の販路に混ぜてもらったり販売方法を真似したりし、お互いに技術を高め合いながらロットをそろえれば、様々な売り先に売ることもできるでしょう。