7.有機JAS認証制度の検討
有機JAS認証制度は、その農産物が有機栽培であることを証明することができる国の制度です。取得にはメリット・デメリットがありますので、うまく付き合っていきましょう。
有機JAS認証とは
この制度が出来る前までは「有機」というのは名乗ったもの勝ちでした。名乗っておけば高く売れるので、有機物を少し使っただけで表示をしたりするなど混乱が見られ、正直者が馬鹿を見る状況でした。そこで表示の適正化を図るため、法律で定められた規格基準が有機JASです。これにより、たとえ農薬や化学肥料を使わない栽培でも、認定事業者により有機JASマークが付けられたものでなければ、「有機」「オーガニック」の表示は不可能になりました。紛らわしい表示が無くなったという意味では消費者に利益がある制度です。
手間や費用がかかるがメリットもある
この認証を取得するには、有機JAS規格を満たした生産管理を行い、生産管理記録を適切に作成し、国に登録された登録認定機関に検査してもらう必要があります。費用や細かな基準は登録認定機関によってによって様々あるので、まずは事業者に相談してみるのが良いでしょう。法律で定められたこの規格認証を取得することで、有機栽培の証明が可能になり、販路の開拓に貢献するかもしれません。認証を取得することで、流通業者側から声がかかることもあるようです。
取得の是非は人により様々
しかし消費者や流通業者と既に信頼関係が確立されている場合、手間や費用が割に合わない・性に合わない場合などには、取得しないという選択肢も考えられます。実はこの規格を取得することで必ず販売メリットが生まれるとも限りません。大量生産を行い、流通業者に出荷するなど、消費者や流通業者といわゆる「顔の見えない関係」の場合にはかなり有効で、必須に近いかもしれません。しかし「顔の見える関係」になればあまり意味をなさないこともあります。それらのメリット・デメリットを総合的に考えた上で、方針を決めていきましょう。