新規就農事例7.独立就農
サラリーマンから就農独立後、法人経営へ。
氏 名:村山 邦彦 さん(1973年生まれ。就農5年目)
組織名:伊賀ベジタブルファーム株式会社
住 所:三重県伊賀市
主な栽培品目:トマト、ホウレンソウ、コマツナなど10数品目
経営面積:約2ha(ビニールハウス8aを含む)
労 力:本人と従業員3名(研修生を含む)
就農までの経緯
メーカーで燃料電池システムの開発に携わっていましたが、仕事が一段落したことを機に30歳で退職。高校教員などを経た後、「自分の足でしっかり立って生きる生活をしたい」と、農業者への道を選びました。
栽培技術の習得
半年ほど各地の農家を訪ね、農業体験講座なども受講。全国愛農会が主催する大学講座への参加をきっかけに、三重県伊賀市内の「農家」や「愛農高校」で研修。自立できる農業を目指し、名張市の専業農家「福廣博敏」さんの農場でさらに1年余り研修。就農後も出荷先の「生産者交流会」ほかで各地を訪ねるなどして勉強を続けました。
苦労した点
自分のやっていく方向性を定め、良い指導者を探し、経営的な目途を立てるまでには時間がかかりました。就農に際しては住宅、農地探しにも苦労しました。研修中は子供が生まれたばかりだったこともあり、収入を確保するためにアルバイトの掛け持ちもしました。
よかった点
師匠の近くで就農できたことが大きかったと感じています。出荷グループのメンバーに加えてもらい、分からないことがあるたびに聞いたり、見てもらったりすることで、不安定な時期を乗り切ることができました。
販 路
主に「らでぃしゅぼーや㈱」との契約栽培、ほかに近隣の健康食品店・八百屋へも出荷。
これから就農される方に一言
持続可能な社会のあり方を考えれば、有機農業はもっと広がってよいと思います。そのためにも、経験と勘に頼るのではなく、データーや科学的な知識を活用しながら、有機農業の技術を体系的に理解できるようにし、経験の浅い新規就農者にも学びやすい仕組みをつくっていきたいと考えます。
販売についても生産者同士の連携を深め、有機の生産者の存在感を示したいと考えています。こうした想いを実現していくために、2012年5月に法人化をしました。「農業なんか食えないからやめとけ」というのではなく、他産業と遜色ない、魅力的な仕事に映るように頑張っていきたいと思います。