有機農業をはじめよう/実践事例集

新規就農事例1.研修から新規参入

専業に求められる「経営感覚」・「逆算力」

プロフィール

間 浩二さん(1967年生まれ)

住所:高知県 家族・労働力:本人のみ(農繁期のみ雇用あり)

就農までの経緯

高知県出身。就農前は歯科技工士。2006年就農。

現在までの経営

主な栽培品目:ミニトマト、ショウガを主に約40品目を少量多品目栽培。

経営面積:54a(畑地50a、ハウス3棟)

おいしさを求めたら有機にたどり着きました

患者さんと接することのない歯科技工士を20年間やってきました。その反動で「相手の顔の見える仕事」への憧れを強くしていました。通勤途中で見かけるビニールハウスを眺めているうちに「農業」が気になりだし、次期同じくして有機のがっこう「土佐自然塾」の開校があって入学を決めました。初めから有機を目指していたわけではなく、おいしさを求めたら有機にたどり着いた感じです。

就農では農地を探すのに苦労しました。見つけた土地も山間地のため、住宅物件が少なく、たとえ空家でも貸していただけませんでした。ただ、幸運にも地域のキーマンになる方の仲介で解決できました。

安定収入は人の絆を作るのが基本

害虫も益虫もいるという、小さな自然界を畑に再現するのが目標です。元肥、待ち肥を基本に、追肥はできるだけしません。苦労と言えばやはり病害虫のリスクでしょう。それから販路の確保と収入の安定も課題です。

僕の場合、「土佐自然塾」を通してバイヤーさんや取引先を紹介していただき、口コミの広がりもありました。自分自身の売り込みもありますが、やはり、人とのつながりが基本。独自に売り先を探すのは、作物を作るのと同じか、それ以上に難しいです。

目標を設定したらまず「逆算」してみましょう

有機農業で独立を目指す方は、まず自分が目指す経営スタイルと収入目標を創造してみてはどうでしょう?そして実現するには、どんな作物をどれくらいの単価で、どれだけ量をつくればいいのか。そのために必要な畑の面積やハウスを逆算していけば答えは出てきそうです。

専業で生計を立てていくには経営感覚も必要です。たくさん稼ぎたければそれに合わせた畑や設備投資、人も雇わなければいけないでしょう。僕がやっているような一人や家族での農業スタイルでも、しっかり目標を設定すれば、十分やっていけると思います。