有機農業をはじめよう/実践事例集

新規就農事例4.穀物栽培・半農半X

半農半X。合鴨農法でおいしい米と肉を!

プロフィール

大倉秀千代さん(1952年生まれ)・大倉文子さん

住所:岡山県 家族・労働力:夫婦・息子

就農までの経緯

岡山県・静岡県出身。1993年、母親の病気をきっかけにサラリーマン生活を終え、東京からUターン。家業のうどん店を継ぐ一方、農業も並行してはじめる。独自の合鴨農法による水稲・合鴨が好評。

現在の経営

主な栽培品目:水稲、小麦

経営面積:70a(水田63a、畑地7a)

うどん店経営と有機農業を両立

家業のうどん店を継ぎつつ、実家の農地で有機栽培に挑戦。せっかくの田舎暮らしですから「農的暮らし」を志しました。

近所の農家に栽培を教えてもらい、慣行栽培ですができるだけ農薬をおさえて2年間ほど米と小麦をつくりました。農業に携わると農薬が身近になり、体にも作物にも好ましくないという思いを強くしました。そんな時に出会ったのが合鴨農法。農法については「全国合鴨水稲会」の本や会報を読み、岡山商科大学の岸田芳朗氏からもアドバイスをいただきました。

合鴨農法による米・鴨肉・小麦

合鴨農法で育てた小麦でうどんを打ち、合鴨肉は鴨南蛮に使うほかレストランにも直売。合鴨で除草したお米はお客様に販売しています。私は自分の手法を「五穀合鴨農法」と名付けています。無肥料・無農薬で米を育て、合鴨のエサは米・麦・大豆・ヒエ・粟の5種類を自家配合しています。

2004年からは「親子田んぼと食べるもん学校」をスタート。地区の田畑で、合鴨進水式、田植え体験、種蒔き、植え付け、収穫などの農業体験活動を行っています。店では食育体験学習メニューも設け、手打ちうどん教室も開催しています。

オリジナリティと我慢強さを大切に!

おいしい合鴨が育てられたことが何よりも嬉しいですね。2009年から大学卒業の息子と一緒に有機栽培と飼育に取り組み、うどん店の経営も安定しています。安全安心かつ健康的な農産物を育てながら、お客様にうどんを食べてもらえることに感謝しています。

励みは、やはり私の思いを継いでくれた息子の頑張りです。有機農業の成功の秘訣はチャレンジ精神、独創力、忍耐力にあると思います。