公開セミナー「農業生産を支える土の中の小さな生物」
独立行政法人農業環境技術研究所は、公開セミナー「農業生産を支える土の中の小さな生物」を開催します。
普段目にする機会は少ないのですが、畑の土壌には多種多様な動物や微生物が生息しています。農作物に害をもたらすものもいますが、良い働きをするものや、機能がよくわかっていないものもたくさんいます。果樹園や自然栽培の畑など、耕うんを減らしたほ場では、とくにこうした土壌生物の多様性が変化し、さまざまな機能を発揮していることが明らかになってきました。
今日、こうした土壌生物の機能を利用して、環境にやさしい低投入・持続的農業生産への移行が叫ばれるようになり、さまざまな生物の有用な機能を農薬や肥料の代替として活用して、減化学農薬や減化学肥料のために役立てようとする研究が、さかんに進められるようになってきました。
農業環境技術研究所では、環境にやさしい農業技術の開発のための基礎技術として、農耕地に生息する微生物・小動物の多様性や機能を長年研究してきました。
このセミナーでは、この分野で先進的な成果をあげている研究者をお招きして講演いただくとともに、農業環境技術研究所で得られた研究成果を交えて、農耕地の微生物・小動物の機能や多様性を明らかにする研究や、土壌生物の機能を持続的な農業に生かすための研究を紹介します。
開催日
13時~17時
会場
秋葉原コンベンションホール(秋葉原ダイビル2階)
住所: 東京都千代田区外神田1-18-13 → 地図
参加料金
無料。参加を希望される方は、事前参加登録が必要。
主催
(独)農業環境技術研究所
後援
日本土壌肥料学会、日本土壌微生物学会、日本土壌動物学会、日本線虫学会
参考webサイト
チラシおよび参加申込書
日程
3:00-13:10 開会挨拶((独)農業環境技術研究所 理事長宮下 淸貴)
13:10-13:40 やっぱりミミズのいる土は良い土だった―土壌生物が植物の生長を支えるしくみ―(金子 信博 横浜国立大学)
13:40-14:10 農地におけるミミズの役割(金田 哲 (独)農業環境技術研究所)
14:10-14:40 カバークロップ利用と不耕起栽培による炭素蓄積と土壌生態系応答(小松崎 将一 茨城大学)
14:40-15:10 農耕地土壌における線虫の生態とその利用の可能性(岡田 浩明 (独)農業環境技術研究所)
<休憩>
15:30-16:00 農法が土壌線虫の多様性に及ぼす影響(荒城 雅昭 (独)農業環境技術研究所)
16:00-16:30 農業における植物内生菌の可能性(杉山 修一 弘前大学)
16:30-17:00 微生物相解析結果を用いた土壌病害の診断(對馬 誠也 (独)農業環境技術研究所)